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2023年06月03日
暗い部屋に少女が一人ぽつんと座っていた。漆黒のドレスをまとった少女の腕は闇に浮かぶほど白く際立っている。その姿はとても彼女の呼称には結びつかない。
暗い部屋に少女が一人ぽつんと座っていた。漆黒のドレスをまとった少女の腕は闇に浮かぶほど白く際立っている。その姿はとても彼女の呼称には結びつかない。
―アリス、僕についてきちゃだめだ。君までハートの女王に殺されてしまうよ。
昔々、夜寝る前にベッドの中で母さんに聞かされたっけ。好奇心旺盛な無邪気な少女が、うさぎを追いかけて穴に入っていく話。不思議の国でいろんな人と出会い、いろんなことを経験する話。少女の架空の世界。ここは一体…彼女の想像した世界なんだろうか。
「帽子屋さん、帽子屋さん。急がないとお茶会に遅れてしまうわ」