Betelgeuse
2023年06月01日
1人用フリー台本。

混沌としたこの世界で、君を照らす光になりたかった。
子供の頃からアイドルに憧れていた。
煌びやかな魔法の箱の中で、苦しくても笑って、悩んでいても楽し気に踊る。
そんな存在になりたかった。
何かを残したくて。
悔し涙を噛み締めて空を見上げる君を照らす、一番星になりたかった。
例え、この世界から僕が消えてしまったとしても。
光の当たる社会では、人ひとり隠すのは簡単すぎる。
終わりは、告げなければ終わりではないから。
いつでもそこで待っていると。
そう言って僕は、この世界で輝き続ける。
僕の命の灯が燃え尽きてしまったその後も。
いつか本当に、僕のこの光が消えてしまうその日まで。
Betelgeuse 2022.05.02