雨のカーテン
2023年07月11日
二人用フリー台本。男女
地の文:男
突然降りだしたゲリラ豪雨。
日に焼けたアスファルトをばちばちと叩いて、あっという間に黒く染めていく。
僕たちは繋いでいた手を離して、少し先に見える東屋に向かって走り出した。
女「お天気雨だねー。」
東屋から少し手を出して、その手に雨を受けながら、彼女は雨に濡れた髪をかき上げる。
遅い日暮れのせいか、遠くの空はまだ日が出ていて、それが余計に僕を不安な気分にさせた。
そんな僕の様子を見て、どうしたのと首を傾げる君。
男「どうもしないよ…。雨、すぐ止むといいな。」
女「止まなくてもいいよ。こうしていると、世界に二人っきりになったみたいだね。」
そう言って微笑む君に、僕まで泣きそうになる。
男「きっと、僕たちを隠す、カーテンになってくれたんだよ。」
だから、今はこうして…雨が止むまでこのままで。
雨のカーテン 2021.07.11